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2‐1.研修医ってわるくないかも [留学]

2‐1.研修医ってわるくないかも

そんなこんなで外科から精神科に志望を変え、無事に大学を卒業した私なのだった。卒業試験や国家試験はそれなりに大変ではあったが、劇的な出来事は皆無であり、面白い話でもないのでここには書かないことにする。

卒業後、どこでどんな形で臨床研修をするか、というのは非常に大切な選択だ。いろいろと調べてみたところ、母校を研修場所として選択した場合、私がやってみたい分野を教えてくれる先輩がいないことが分かった。事前に調べておいてよかったと思うが、しかしそれでは精神科を選ぶ意味がないではないか。どうやってこのハードルを越えればいいのだろう。医師としての小さな一歩を踏み出す前だというのに、前途に大きく真黒な暗雲が立ち込めたような気持ちになってしまった。やっぱりやめたほうがいいんだろうか?詳細は省くが、いろいろな先生方に相談して、お願いしてお力をお借りして、おそらくご迷惑をおかけしたこともずいぶんあったものを思われるのだが、最終的には、都会にある、とある大学の医局に入局させていただくことになった。当時は最近とは事情が全く違っており、個人的に業界にコネを持たない私のような人間が、母校を離れ、母校の影響力の及ばない土地で臨床研修をするということはあまり一般的ではなく、それなりに勇気のいる選択だった。しかし私は当時“気合が入って”いたため、全く気にならなかった。私を受け入れてくれた大学は、私にとっては憧れの名門校のようなところであったため、入局の許可が出た時には、うれしかったと同時にずいぶん緊張したものだ。当時お世話になった先生方には、今でも頭が上がらない。私の場合、やはりいろいろな事情で身体科の研修をしてから精神科を始めることとなった。それでその後の私の医師としての進路が決定付けられた。

大学に入局するとさっそく研修が始まるわけだが、精神科の場合、特に優秀な人は“精神科をストレートで研修する”のが良い、とされていた。私のように、なりゆきで身体科の研修をすることになった人間などは、“精神科医としての感覚が鈍る”といって嫌われた。つまり二流扱いされた、といってよいかと思う。私の場合、現在の初期研修医のように、2年間内科外科を問わずに広く浅く研修したのだが、そのことを、“精神科医として大きな損失”などと一部の先輩に言われてとても悲しい気持ちになったものだ。“身体科を1年やれば結構ダメになってしまうのに、2年もやったらもうとうてい取り返しがつかない”と言われたこともあった。ずいぶん厳しいことを言ってのける先生もいたものだ。

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